情報290 スパコン「アテルイ」の運用終了

平成25年に奥州市水沢区の国立天文台水沢キャンパス内に設置されたスーパーコンピューターは、「アテルイ」の愛称がつけられ、天文学専用としては世界最高速の処理能力を有している。
これまでインターネット回線を利用して世界中の研究者に共同利用され、さまざまな天文現象の解明に貢献してきた。
機器更新のため平成30年3月で運用を終了するが、その前に「アテルイ」を使った重大な研究成果が相次いでいる。

8月中旬に地球から1億3千万光年離れた中性子星の合体による重力波が世界で初観測されたが、合体による重い元素生成に伴う「キロノバ」と呼ばれる大爆発現象の発生過程を国立天文台の田中雅臣助教らが予測。

9月下旬、東京大学などの研究グループが超大な質量を有する「モンスターブラックホール」の誕生過程を解明。

10月上旬、東大などのグループが「星の死」の過程に関する研究成果を公表。

平成30年度からは、また新しい機材を国立天文台水沢キャンパスに導入予定で、その愛称については未定というが、ぜひ「アテルイⅡ世」とでも名付けてほしい。