河北新報に連載中の異色の歴史小説。沙棗とは『吾妻鏡』に出てくる人の名で、この小説では近江の俘囚出身の男で義経の身近に仕えることになる。蝦夷や俘囚ということを物語の底流に据えており、アテルイの名も随所に出てくる。「宝亀七年。朝廷軍三千人が胆沢を攻めましたが、敗走しております。また、延暦八年に朝廷軍を率いる紀古佐美が大墓公阿弖流為の軍と戦い、敗走。以後、延暦二十年に阿弖流為公が坂上田村麻呂公に降伏なさるまでに、蝦夷軍は勝利し続けます。大軍勢に対し、どのように戦えば勝利することが出来るか、蝦夷軍はそれを熟知しておりました。実俊は、阿弖流為の<巣伏の戦い>の兵略を事細かに語り始めた。」(第101回)など。
情報229 平谷美樹作『沙棗(さそう) 義経になった男』
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