情報214 『正論』1月号

 産経新聞論説委員の石井英夫氏による連載「世はこともなし?」の第31回が「アテルイの血筋」。情報211と同じ筆者で、「恥ずかしながら、この秋『流域紀行北上川をあるく』の取材で岩手県の水沢へ旅をするまで、「アテルイ」のアの字も知らなかった。そしてみちのくを歩くと、アテルイ抜きでは夜も日も明けないほどのもてはやされぶりに驚いた。」で始まる。内容はアテルイやエミシ、アテルイ顕彰の経過などが簡潔に紹介されていて好意的だが、そのなかで「坂上田村麻呂展」のプログラムに、「胆江日日の佐々木隆男社長は「古代王朝の東北侵略に対して激しいレジスタンスを展開したアテルイ」と表現し、「(延暦22年は)いわばこの地方が『日本』という国に併合された年」と記している。「東北侵略」「日本併合」などという激しくナショナリスティックな文言がちりばめられている」ことに目を引かれたという。最後に「豪腕といわれ、壊し屋といわれる政治家・小沢氏の言動は、さて風雲児アテルイの血を継いだものかどうか」と問い、「泉下のアテルイに尋ねれば、「とんでもねえ。ちゃぶ台返しのプッツン政治家といっしょにしねでけらいや」と嘆息するのではないか」と結んでいる。