情報211 産経新聞「流域紀行北上川を歩く【4】」

 平成19年10月26日付の第4回は「アテルイの血?反逆の傑物たち」。筆者の石井英夫氏は「ところでアテルイという男の名を聞いたことがおありであろうか。まつろわぬエミシの指導者で、北上川のほとりの胆江、いまの水沢(現奥州市水沢)が生んだ梟雄である。8世紀末、桓武天皇のころ北上川を舞台に政府軍を破って中央を悩ませた。時代が下がってこの水沢は、わずか1万6000石の小藩でありながら数多くの傑出した人物を輩出した。幕末の蘭学者・高野長英、明治・大正の政治家・後藤新平、昭和の宰相・斉藤実ら。町には「偉人通り」と呼ばれる一画もある。いまをときめく民主党代表の小沢一郎氏も水沢出身だ。かれらに共通するのは時流に反逆する性向といってもいい。この"時代の子"らの出現は、1200年前の梟雄アテルイの血とはたして無縁だろうか。」と冒頭に書く。
 次に、当会の幹事で胆江日日新聞編集長の安彦公一氏の「賊徒の頭目から民族の英雄へ、アテルイの評価が百八十度転換したのはこの地元でもここ10年ぐらいのことです。いまではすっかり地域おこしの象徴的人物ですが」という話などが紹介され、「子供のころ、アテルイは農民を苦しめる悪路王として教えられてきた。それが中央へのいわれなきコンプレックスにもなってきた、と水沢人は口ぐちにいう。歴史の闇に封印された人物だったのだ。」と結びに。