情報 伝 阿弖流為母禮之塚~枚方市牧野阪公園内に建立~

 平成19年3月4日、アテルイとモレの終焉の地とされる大阪府枚方市に「伝阿弖流為母禮之塚」が建立され、地元枚方市民をはじめ、関西アテルイ・モレの会、岩手からも奥州市関係者や当会の及川会長他役員が出席して除幕式が行われた。完成した塚は、高さ143㎝、幅120㎝ほどの生駒石(御影石)製で、清水寺の森清範貫主が揮毫している。
 式典では、枚方市立第三中学校生徒によるブラスバンド演奏の後、塚建立実行委員会の中司実会長、笠井義弘副会長、中司宏枚方市長、岩井憲男奥州市助役、及川洵当会会長らが紅白のひもを引いて除幕。清水寺の森貫主が「1200年前の心が今日に生きていることを証明した鎮魂の碑だ」と縁の大切さを説く講話を行った。続く祝辞で中司枚方市長は「この碑は命を大切にする平和の象徴でもある。歴史の深さを大切にして地域の一体感を市民と一緒に築いていきたい」と挨拶、岩井助役は「アテルイの故郷の思いを今に伝えていただいたことに感謝している」と相原奥州市長のメッセージを代読した。塚はその場で、実行委員会から枚方市に寄贈され、関係者に対し枚方市と当会からの感謝状が贈呈された。会場を移しての竣工報告会と続いての懇親会では、「ああアテルイ」も合唱されるなど熱気に満ち、奥州と枚方、京都清水寺の絆を強める意義深い機会となった。塚建立実行委員会は、配布したあいさつ文で「将来この地が処刑地、終焉の地として学問的にも位置づけられるよう働きかけをする」と結んでいる。