情報 月刊コミック誌に超伝奇SF『阿弖流為Ⅱ世』

 月刊コミック誌『GOTTA(ガッタ)』(小学館発行)の平成12年8月号から、直木賞を受賞した高橋克彦氏の原作による『阿弖流為Ⅱ世』の連載がはじまった。作画は代表作『北斗の拳』などの熱筆で知られる原哲夫氏。ストーリーは千二百年の時を経て現代に蘇った阿弖流為が、人類を滅ぼそうとする破壊神の末裔たちと戦うというもの。第1話は、「時代は今を遡ること1200年余り― まだ大和に都がありし頃、陸の奥に蝦夷という自由の民がいた。ある時、その陸奥に"黄金の龍"見つかりて帝、これを欲せんと蝦夷を"鬼"と蔑み討伐を命ず。時同じくして、蝦夷に英雄豪傑が現れ頭領となりこれに抵抗。二十余年の長きにわたり朝廷の大軍を退けたが、坂上田村麻呂の軍勢の前についに凄絶なる投降の時来たれり。その誇り高き蝦夷の頭領の名は――阿弖流為――」と、格調の高い出だしでスタートした。
アテルイについては、中学の教科書などにも取り上げられるようになっているものの、全国的にはまだまだ知られていない。そのなかで、子供向け漫画の全国誌にアテルイが登場したことは、これからの若い人たちに広く知ってもらえるということであり、大きな意味がある。読者からの反響も大きく、アテルイについてのさまざまな質問がGOTTA編集部に届いているとのこと。10月号には緊急企画<阿弖流為Ⅱ世はこうして生まれた!>の第1回として「実在した東北の英雄アテルイ!」のコーナーが漫画とは別に3ページにわたって組まれた。「東北の生んだ最大にして最高の英雄、それが阿弖流為である。」に始まり、アテルイの戦いと降伏までを紹介、最後は「阿弖流為の英雄伝説は、今も東北地方に語り伝えられ、蝦夷の心を熱く燃やし続けているのだ。」で文章は終わる。まさに絶賛、アテルイこそニューヒーローである。はたして漫画「阿弖流為Ⅱ世」の影響はどのようなものであろうか。