情報101 高橋克彦著『火怨』に第34回吉川英治文学賞

アテルイの生涯を描いた『火怨』が栄えある受賞に輝いた。同じくアテルイを描いた澤田ふじ子の長編歴史小説『陸奥甲冑記』が昭和57年に第三回吉川英治新人賞に選ばれて、以来18年、アテルイに対する関心と注目の度合いが大きく変化しつつあることを感じる。高橋氏は、「主人公の阿弖流為は東北では著名ながら、私のいだいている彼への共感がどこまで全国に通用するかと思っていた。私の作品だけでなく、蝦夷が認められたようでうれしい」と受賞の喜びを語っている。