情報70 水沢小学校PTA文集『やまなみ』№28より

袋町の石川タミ子さんが「アテルイ」と題して寄稿している。「数年前放映されたNHK大河ドラマ「炎立つ」でアテルイが登場し、古代の英雄に興味を持った。田村麻呂に討伐されたんだっけなという程度の知識しかない。まして清水寺が田村麻呂開基とは知らなんだ。そもそも、この胆江地方で独自の生活と文化を形成していた平和な地に、中央政府が蝦夷と蔑視し侵略してきたのだ。我が郷土の雄アテルイさんは、モレさん等と共にこの侵略を頑強に阻止したが、十数年に及ぶ激戦も空しく、遂に坂上田村麻呂の軍門に降った後京都に連行され、処刑された。田村麻呂は敵ながら両雄の武勇、人物を惜しみ政府に助命嘆願したが受け入れられなかった。平安建都一二00年祭に阿弖流為・母禮の顕碑が清水寺境内に建立されたので、いつか訪ねてみたいと思う。小学校の遠足で行った平泉の伊谷の窟も、チョッと歴史を知っただけで見方が違うもんだ。
アテルイは従来、朝廷に歯向かった賊徒として扱われていたが、郷土を朝廷の侵略から身をもって護った英雄として見直される様になり、中学校社会科歴史教科書にも載るそうだ。水沢の三偉人も素晴らしいが、古代東北の日高見国胆沢に思いをはせる時、アテルイという人物がガンバッテいた事を誇りに思う。こんな浅い知識でも歴史のロマンを充分感じるんだナ。」