NHK大河ドラマ「炎立つ」に阿弖流為と母礼が登場

すでに多くの会員の方々も見られたものと思うが、平成5年7月4日に『炎立つ』の第一回が放送された。「藤原四代」をテーマとする高橋克彦氏の原作にはアテルイが登場しないことから、触れないのかとも心配したが、江刺市での第二回ロケで里見浩太郎がアテルイ役にふんし、戦いのシーンなどを収録したとの新聞記事を読み楽しみにしていた。
 もう七年前になるが、NHK『東北アワー10』でキャスターの高橋克彦氏が第七話に「蝦夷大首長アテルイの謎」をとりあげている。その結びで「謀殺されたアテルイの怒りは我々の怒りである。と同時に、我々は東北に生まれ育ちながら、我が内なる東北を見捨ててきたのではないか、そんな反省にも駆られる。アテルイが悪路王と呼ばれることを、少しの抵抗もなく受け入れてきたのである。それは結局、東北人としての自己否定につながるのではないのか?......いつかアテルイを誇りに思える日が来た時、東北は新しい歴史を刻んでいる、そんな気がしてならない。またひとつ、熱い東北が見えてきた。」と語ったことを思い出しながら、アテルイが登場する冒頭のシーンを見た。