情報293 胆沢城跡歴史公園にアテルイ

胆沢城跡歴史公園が6月29日オープンした。
胆沢城は平安初期の802年(延暦21年)に坂上田村麻呂によって造られ、アテルイとモレが500余名の仲間を率いて降伏(旧暦4月15日)したのも造営中の胆沢城であったと考えられている。

胆沢城跡は、岩手県奥州市水沢の佐倉河地区にあり、一辺約670メートルの土塀で囲む外郭と内部には一辺約90メートルで区画された政庁などがある。1922年(大正11年)に国史跡指定を受けている。

今回オープンした公園は、約46万平方メートルにもおよぶ城跡全体の中央南端に位置、城の正門にあたる「外郭南門」の周辺約1万3400平方メートルの敷地に整備したもの。
2011年度から整備事業を開始し、高さ約5.4メートル、長さは東西に各15メートルの「築地」や門に続く幅12メートルの「南大路」などを復元した。

また建造物などの再現CGを現在の風景に重ねて映し出す拡張現実(AR)や仮想現実(VR)技術を導入、郷土の歴史が体感できるようにした。
スマートフォンなどに専用アプリ〔AR胆沢城〕をダウンロードすると、画面上に外郭南門が実物大で出現、アテルイや坂上田村麻呂が現れたり、城に関するクイズに挑戦できるなど、楽しみながら古代東北の歴史が学べる。
スマホ画面に映し出されるアテルイのイラストとバーチャル記念撮影もできるとのこと。

開園行事では、アテルイに扮した岩手県陸前高田市出身の俳優村上弘明さんの一人芝居とトークショーや地元の佐倉河小学校児童による合唱も行われた。
また会場では地元の佐倉河振興会が開発したオリジナル缶バッジ(アテルイや田村麻呂など)が特別販売された。