情報288 北東北の古代遺跡等を日本遺産に申請

岩手県の盛岡市、奥州市、矢巾町と秋田県の秋田市、大仙市は、古代北東北に朝廷が築いた城柵や蝦夷の古墳群などの「日本遺産」登録を文化庁に申請した。

遺跡、出土品など計29件を一括して「北の国境をゆく~北東北の城柵と蝦夷が織りなす国家の最前線~」と題し、坂上田村麻呂らによる蝦夷統治の舞台裏を紹介する史料と位置付けている。

城柵は志波城跡(盛岡市)、胆沢城跡(奥州市)、秋田城跡(秋田市)、払田柵跡(大仙市)、徳丹城跡(矢巾町)の五件。
アテルイが率いる蝦夷軍が朝廷軍に大勝した「巣伏の戦い」の戦場(奥州市)や、坂上田村麻呂が胆沢城近くの八幡神社に奉納した宝剣も構成資産としている。

日本遺産への登録は、資産の歴史的意義を物語性豊かにPRできるかどうかがポイントで、観光振興に生かそうと文化庁が2015年度に創設した。
2017年4月までに54件が登録され、東北では6件が登録されている。
登録の可否は4月下旬に発表される見通しで、認定されれば5市町村は協議会を設立し、城柵をめぐるツアーなどを企画するという。
【2018年2月3日付「河北新報」記事より】