情報256 NHK大型時代劇 『火怨(かえん)・北の英雄 アテルイ伝』

 NHKは9月2日、古代東北の英雄アテルイの生涯を描く『火怨・北の英雄アテルイ伝』の制作を発表した。「東北を平定しようと北へ攻め上る朝廷軍の襲撃に、命を捨てて一族の未来を救った古代東北の英雄・阿弖流為(アテルイ)の生涯を、空前のスケールで描く歴史冒険巨編」で、かつて不屈の魂をもって東北を守った陸奥の英雄を描くことで、生きている「東北の人たちへの応援歌」を目指すという。【原作】は高橋克彦氏の『火怨・北の耀星アテルイ』。【脚本】西岡琢也。【音楽】川井憲次。10月に岩手県でクランクインし、来年1月にBSプレミアムでBS時代劇として全4回(各43分)の放送、3月に総合テレビで大型時代劇として全2回に編集して放送する予定。
 主演のアテルイ役には大沢たかお(44歳)が抜擢された。大沢さんは、数多くの映画やドラマに出演する実力派俳優で、2009年11月から22話にわたって放送されたTBS日曜劇場『JIN―仁―』で主役を演じ、高視聴率とともに高い評価を得た。大沢さんをとりまく主な出演者は、アテルイの妻(佳那)に内田有紀、父(阿久斗)に神山繁、母(海浦)に江波杏子、兄(阿真比古)に石黒賢、妹(阿佐斗)に高梨臨。アテルイと共に戦う参謀役の母礼に北村一輝、呰麻呂に大杉漣、女戦士(古天奈)に伊藤歩、志波の族長(波奴志己)に西宮徳馬。他に豪族(大伴須受)に原田美枝子、坂上田村麻呂に高嶋政宏、桓武天皇に近藤正臣、という豪華な顔ぶれとなった。
 【ストーリー】奈良に大仏が作られ、都が今の京都に遷されようとしていた頃、東北には朝廷から" 蝦夷"と呼ばれた民が暮らしていた。蝦夷は独自の文化を持ち自然とともに平和に暮らしていたが、その威光を広くあまねく行き届かせようとする朝廷によって、彼らの平和が脅かされようとしていた。故郷の地を、そして民たちを守るために立ち上がった一人の若者がいた。胆沢(現在の岩手県奥州市) に住むアテルイである。アテルイは仲間のモレとともに、圧倒的な兵力を誇る朝廷軍に果敢に挑んでゆく。幾度かにわたる戦いの中で、土地は荒れ、仲間の多くを失ったアテルイは、次第に争いそのものに疑問を抱き始める。人間としての葛藤を抱き、悲しみを背負いつつ、なおも戦いへと向かうアテルイ。そして、最後の戦い。朝廷軍最高の司令官である宿敵・坂上田村麻呂との決戦の幕が切って落とされる。