情報225 『書家の眼で見た 京都の書』

 古都・京都における歴史の出来事を再確認しながらその石碑・刻字の素晴らしさを書家の視点から解説する。清水寺の境内に建つ森清範書[北天の雄 阿弖流為 母禮 之碑]も収録されている。解説では碑の脇にある説明を紹介したうえで、「これらの経緯を読んで頂けると何故清水寺に阿弖流為、母礼の碑が建っているか、又何故清水寺貫主である森清範師が筆をとっておられるかがよくわかって頂けると思う。森清範師の書は楷書で全く迷いがなく、真面目で温厚なお人柄があふれた立派な書である。田村麻呂は最後まで阿弖流為、母礼の助命を願ったとのことであるが、この碑からも切々とその心情が伝わってくるような気がする。」と書いている。最後に「「弖」の字は「天」の異体字」としている。青山碧雲著、2008年7月15日発行、木耳社、1,500円+税