情報200 大石直正編『平泉・遠野・盛岡散歩』

 山川出版社の<散歩コース>シリーズ岩手県版で、平泉・遠野・盛岡の散歩コースと散歩事典。2006年7月初版発行、定価1500円(税別)。第Ⅰ部の散歩24コースの第11コース「北辺の古墳と城柵を訪ねる」がアテルイにふれることができる散歩コース。第Ⅱ部の事典の最初には、「阿弖流為 ?~802年」が紹介されている。「フルネームは大墓公阿弖流為。奈良時代後半から平安時代初頭ごろの胆沢地方の蝦夷族長のひとり。阿弖利為とも書く。789(延暦8)年、盤具公母礼とともに、胆沢の蝦夷を指揮して巣伏村(現、奥州市)付近を拠点に、征東大将軍紀古佐美率いる5万2800余人の政府軍に抵抗、北上川東に渡河した4000人を迎えてこれを破った。801(延暦20)年征夷大将軍坂上田村麻呂が4万人の軍を動員し、翌年に胆沢城を造営すると、母礼とともに500余人を率いて降伏した。田村麻呂は同年7月2人をつれて帰京し、胆沢の統治と蝦夷社会再建には2人が必要であることを説き、助命を進言したが、公卿らの反対にあい、両名は同年8月河内国椙(杜)山(現、大阪府枚方市付近)で斬られた。」執筆者は大石直正(東北学院大学名誉教授)、伊藤博幸(奥州市埋蔵文化財調査センター所長)、大島晃一(一関市博物館副館長)他