情報168 蝦夷の陸稲栽培

 江刺市教育委員会が発掘調査している同市愛宕の新川Ⅲ遺跡から、県内最古と見られる7世紀後半の畑跡が見つかり、7月20日に現地説明会が行われた。同遺跡は広瀬川東岸の休耕田にあり、調査面積950平方メートルのうち、畑跡は六区画分計約500平方メートルの広さ。7世紀後半、8世紀後半、9世紀初頭とみられる三つの地層の土壌分析の結果、各層からイネ科植物の葉に含まれるガラス質のプラントオパールが見つかり、陸稲栽培を長い間繰返していたことがわかった。調査を担当する同市埋蔵文化財調査員の及川洵氏(当会会長)は、「蝦夷はコメを作り生活し、アテルイもコメを食べていたことになる。蝦夷は貧しい生活をしていたとみられてきたが、そうでないことを証明することになる」と話している。