情報35 高橋克彦『風の陣~立志篇~』

「陸奥国から平城京に黄金を運ぶ護送役となった若き蝦夷・丸子嶋足は兵衛府の官人として都に留まり、異例の出世を遂げる。やがて、彼は奈良朝を震撼させた政変・橘奈良麻呂の乱の渦中に自らの身を投じたのであった...。『炎立つ』の時代を遡ること三百年、迫り来る奥州動乱の兆しのなかで躍動する若き蝦夷たちの志を描く」歴史小説。丸子嶋足は牡鹿郡の出身で、のちの道嶋嶋足。伊治鮮麻呂(これはるのあざまろ)も重要人物として登場し、嶋足との交友を深めている。これにいずれ阿弖流為も登場してくるのであろう。【PHP研究所刊、1600円 】〔初出誌『小説歴史街道』1994年11月号~1995年10月号〕